誰とイキたいか、というお話。
前職時代、特に転職前後に一番お世話になった方と転職後初めて飲みにいきました。
組織、採用の話で盛り上がり、
当時の組織構造、課題をいい感じに客観的に振り返ることができ、
学びの多い場となりました。
その中で、「誰とバスに乗り込むか」という話が刺さったので、
備忘録として書きなぐります。
『目的地が同じ人と同じバスに乗り込むな』という一見相反するお話です。
例えば、何らかの理由で、バスを使って青森に行かないといけなくなったとします。
(そんなことはほぼないのですが、ここでは極端なケースを用いて)
よりコストを抑えて効率的に目的(=バスを使って青森へ行くこと)を達成したい、
と考えるとしたら、どのような手段で青森までいくでしょうか。
合理的な人間であれば、青森に行きたい人(同じ目的地の人)をweb上で募集して、
バスの貸し切り代を折半しよう、と目的地が一緒の人とバスに乗り込むでしょう。
しかし、訳あって秋田県まで到着したタイミングで、
急に青森でなくて大阪にいかないといけなくなりました。
あなたはバスの運転手に、『青森ではなく、大阪に行ってくれ』と依頼してみます。
すると、同乗者はあなたを白い目で見るでしょう。
あなたが強引にバスの運転手を説得して、進路を変えたとしたら、
同乗者達はバスから降りて、電車やタクシーに乗り換えて青森までいくでしょう。
もしくは、あなたがバスから降ろされて、
web上で大阪まで行きたい、という人を新たに募ってバスに乗り込むでしょう。
ところが、web上で一緒に乗り込む人が確定したタイミングで
大阪ではなく石川県にいかないと行けなくなりました。
そしてまた目的地が同じ人を募って、、、の無限ループに陥り、
気づけば1年経っても目的に到着していませんでした。
このような話は一般社会ではほぼ起こりえない話なのですが、
ベンチャービジネスの世界では十分に起こりえる話だと思います。
環境変化の激しいマーケットにおいて、
先月立てた戦略やゴールを大幅に変更せざる得ない状況なんていくらでもあるし、
その度に一緒に乗り込む人を変えていたら、いつまで立っても目的は達成できません。
合理的な人間は、目的地が自分と違う、と判断したタイミングで会社を出て行きます。
そこで溜めた知見やら、顧客資産を失うことになり、
事業成長を一時停滞させる原因にもなり得ます。
では、継続的に事業成長させるためには、
誰と同じバスに乗り込めばよいのでしょうか。
それは『目的地が同じ人』ではなく、
『この人とバスに乗りたい!』と思える人なのだと思います。
どこに行きたいかでなく、『誰とイキたいか。』
を軸に一緒に乗り込む人を選ぶ、ということです。
僕らのバスの目的地は、常に世の中があっと驚く(FreakOut!!)方向であり、
そのベクトルは時代によって変わります。
この人とイキたい!という気持ちさえあれば、
目的地が変わったとしても一緒にイケるならどこでもいい!
と合理性を凌駕した領域にイキつくので、
すぐに方針転換、マーケットの変化に順応した機動力の高い組織が組成されます。
フリークアウトも、環境の変化の激しいマーケットで戦っている以上、
組織が大きくなっても、このスピード感に負けてられんのです。
そのためには、組織創りといった点においても、
この人と一緒に働きたいかどうか、という超ベンチャー的な採用方針ではありますが、どれだけ大きな組織になったとしても、その視点は大切にしていきたいと思います。
会社が好きかどうか。にも書いておりましたが、
そのためのロイヤリティ醸成であり、常に方針転換の有り得る業界なので、
今の行き先はどちらなのかって透明性を担保するためのビジョン浸透なんだと改めて思いました。
ちょっと違うぞ、と思う人がいればそういったご意見も是非くださいm。。m